自分自身は、ブルーライトによるOPN4(編集部注/OPN5を含む非視覚型光受容体の5つの種類のうちの1つ)の刺激が得たい、短時間でも強くOPN5を刺激したいと思って、ひなたを歩くようにしています。

 一方、光の強さより時間の長さ、すなわち外にいる時間のほうが効果と関係しているという研究もあるので、ここは議論のあるところです。ここでは「ひなたを歩こう」と言いましたが、日陰でもいいから、とにかく外を歩くというほうがいいかもしれませんね。

通勤・通学時間を
最大限に活用

 通勤や通学のときも、なるべく外を歩きます。例えば地下鉄で、そのまま地下通路を歩いていけば、目的地まで非常に近かったとします。その地下通路を使わず、なるべく早く屋外に出るのがコツです。そして、外を歩くのです。

 もちろん、雨が降っているときなどは、地下道などを使ってください。でも曇りの日や天気の日は、ぜひ外を歩きましょう。

 隣のビルと連絡通路などで繋がっている場合でも、なるべく一度外に出てから行くようにしたらどうですか。

 これまでは、移動の時間は短ければ短いほうがいい、そのほうが仕事の効率が上がる、と思われていたかもしれません。でも、ちょっと考え方を変えてみてください。隣のビルに行くだけであっても「おそとぼっこ」(編集部注/「ひなたぼっこ」にならった、筆者の造語。屋内のひなたではなく、外にいること自体が目と体と精神によいと提唱している)の大きなチャンスなのです。早く行くことだけが目的ではないのです。

 ごきげんに、楽しく健康な時間を持つことこそが大切です。例えば、アポイントの時間まで10分余裕があったら、外を少し散歩してみましょう。散歩しながらいろいろな道を使って目的地まで行ってみるのです。

 2022年に坪田ラボが上場することになったときのこと。上場前には機関投資家の方に自分の会社のプレゼンをしてその魅力を語るのですが、なんと1週間に48社分もプレゼンをしなければなりません。1時間プレゼンすると30分の休みがあって、またプレゼン。1日に5回も6回もこなすことになります。

 幸い、今はWebでできますので、動き回らなくていいのは楽なのですが、ほうっておけば、ずっと部屋の中に閉じ込められていることになります。

 そこで、このときに僕が実際にした工夫は、プレゼンとプレゼンの間に、信濃町の自分のオフィスとその周りを散歩するということでした。

 そうすると、結果的に何十回も20分程度の短い散歩をすることになったので、たくさんの裏道や楽しいお店などを見つけることができました。