さらに、バイオレットライトは指向性が非常に強いことがわかってきました。すなわち、見る方向性がとても重要なのです。
外にいても下を向いたのでは、バイオレットライトはほとんどゼロに近くなります。斜め下を見ても、かなり少ない。
例えば天気の非常に良いとき、水平だと約400マイクロワットパー平方センチメーターの光の強さがありますが、下を向くと、これが100以下になってしまいます。
一方、ちょっと目線を上げると800~1500、真上を向けば、2500~3000まで増やすことができます。
ちょっとした目の方向性が本当に重要なのです。
上を向いて歩くと、物にぶつかったりする危険もありますから、じゅうぶん注意して歩いてくださいね。
僕は特に通勤のとき、自分の家から駅までの約7分間を、上を向いて歩いています。
最初は何か物が近づいてくる気配がすると心配になって、目線を落としたり、きょろきょろしたりしていました。最近は練習の成果か、視野が広がり、かなり長時間、上を向きながら歩くことができるようになりました。
日本の道路はよく整備されていて、あまり足に引っかかるものもないし、快適だなと思いながら、歩いています。
皆さんも上を向いて歩く場合には、いつもの歩き慣れた道で歩くようにしてください。新しいところでやると、つまずいたりして危険なので、おすすめできません。
ちょっと上を向いたほうが健康になるなんて、面白いですよね。
10月から5月頃までは
なるべくひなたを歩くようにする
「ひなたを歩くと良い」なんて言うと、暑い盛りにひなたを歩くなんて考えられない、という方も多いと思います。むしろ、日陰を探して歩いて、なるべく汗をかかないように工夫しているでしょう。
でも、バイオレットライトをじゅうぶんに浴びるためには、「ひなたを、上を向いて歩く」という組み合わせが理想的です。
もちろん、熱中症の可能性のある猛暑時に無理してひなたを歩く必要はありませんが、それでも10月から5月くらいまでの間は、なるべくひなたを歩きましょう。
歩いていると、ひなたと日陰の両方を選べる状況がたくさん出てきますが、ぜひひなたを選んでください。歌にもあるように、サニーサイドを歩くのです。
ただし近視については、ひなたでも日陰でも、じつは予防効果はあまり変わらないことが台湾のウー・ペイチャン先生たちの研究でわかってきました。