2. 意思決定会議での発言
会議の種類の2つ目は「意思決定の会議」です。ここでは「論理性」と「実現可能性」が重要です。参加者には以下のような発言が求められます。
・各選択肢のメリット・デメリットの分析
・リスク要因の指摘
・実行するための具体的な条件や必要リソースの提示
一見、非常に当たり前のことで、既に実施している項目のように見えますが、少し注意が必要です。たとえば、メリット・デメリットを語る際には、自チームのゴールが明確になっていなければいけないのです。ゴールが明確になっていなければ、メリットもデメリットもありません。当たり前のように聞こえますが、往々にしてこのゴール・目的が置き去りになっているケースは多いです。まずはリーダーがそれを明確に言語化しておく必要がありますね。
たとえば、ある会社では商品のプロモーションをインスタでやるかTiktokでやるか議論していました。「インスタの方が効率的だ」「いや、Tiktokの方は若い人たちに圧倒的にリーチできる」など議論していましたが、そもそもそのチームのゴールは、販売量を増やすことではなく、商品の利益率を上げる事でした。長時間にわたって会議をしていましたが、議論しているうちにそもそもの目的を見失っていました。
一部のメンバーがズレた議論をしてしまうと、他のメンバーは「なんか違う気がする……」と発言しなくなります。リーダーは常に「ここで何かを決定する目的は?」を頭に置き、参加メンバーに伝え、議論がズレてきたら戻さなければいけません。
3. 情報共有会議での発言
3つ目は、情報共有です。ここで必要なのは「意味付け」と「これからのアクション」を伝えることです。一般的に情報共有の会議では、文字通り状況の共有がされます。しかし、考えてみると状況を共有されただけでは、よくわかりません。「状況は分かったけど、だから何?」となってしまうのです。そのため必要なのは、
・状況報告と、なぜそれを共有したかの意味付け
・今後、どのようなアクションを取っていくか
となります。
この2点を伝えてはじめて、参加メンバーがそれぞれ「今後何をしなければいけないか」をつかむことができ、発言もできるようになるのです。
たとえば、「商品Aの売上が前年度比で95%に落ち込んでいます」とだけ言われても、真意はわかりません。何かしなければいけないのは分かりますが、何をしてほしいからその情報を共有したのかがわからないのです。
「既存商品では売上を維持できない」という文脈で語られているのか、「新しいプロモーション施策が必要」と言っているのか、また別のことなのか、がわからないですね。
そして、仮に「新しいプロモーション施策が必要」なのであれば、参加者にアクションを促さなければいけません。「察してね、自分で考えてね」では動けません。「だから○○をしてほしい」「新しいプロモーション施策を考えるために、来週の会議で意見を持ち寄りたい。そのために、AIを使ってプロモーション案を30個出してきてほしい」などと伝えなければいけません。
会議を実施する際には、「今回は何のために集まってもらうのか?」を明確にしなければいけません。当然のことですが、この当然のことがないがしろにされているケースが非常に多いと感じます。
実際、多くの会議が、単にみんなで集まって誰かの話を聞くだけで終わっていしまっています。聞くだけならメールするだけで済みます。集まる必要はありません。参加者に有意義に考えてもらい、意見を出してもらうためには、まず主催者であるリーダーが会議の目的を明らかにし、何を伝えればいいかを言語化することが大事です。