会議の種類と、言語化しなければいけないこと

会議の種類によって、参加者に求められる発言の内容や質が大きく異なります。まず会議主催者がそれを明確にし、同時に参加者に明確に示す必要があります。

1. アイディア発散会議での発言

この会議では「量」と「多様性」が重要ですね。そのため、参加者には以下のような発言が求められます。

・既存の枠組みにとらわれない自由な発想
・「変わった視点」からの意見
・他者のアイディアに便乗した発展的な提案
・そして、前提として「会社の方針に沿った考え」

アイディアを出すわけですから、量があった方がいいですし、いろんな方向性で出てきた方がいいです。そのため、多くのリーダーは「もっとない?」「斬新なアイディア出して」などとメンバーに発破をかけています。

しかし、そう言われてもそんな簡単には出てきません。

なぜか? 何を言っていいかわからないから、もしくはそもそも思いつかないからです。

「アイディア出して」ではなく、発言してもらえるようにリーダーが誘導しなければいけません

ここでのポイントは2つです。

1. どんなコンテキスト(文脈、方向性)で考えればいいのかを言語化する
2. アイディアとは何か? の定義を言語化する

まず「どんなコンテキストか?」を言語化しなければいけません。なぜ新しいアイディアが必要になったのか、組織としてはどんな方向性で考えているのかを伝える必要があります。

新商品のアイディアにしても、既存商品とのシナジーを生みたいのか、これまでの顧客層が一気に離れていきそうだから新規ユーザーを急いで探さなければいけないのか、もしくはダイバーシティやSDGsなど世の中の風潮に合わせたものが欲しいだけなのか、など方向性を示してもらえなければ、考えようがありません。リーダーはそこを言語化していきましょう。

そして次にアイディアの定義を共有します。そもそも「アイディアとは何か?」を理解していなければ、出しようがありません。「斬新なアイディア求ム!」と伝えても、出せないんです。まずはアイディアの定義をし、共有しましょう。

ぼくの定義は「アイディアとは、何かと何かの掛け合わせであること」です。

たとえば、インターネットとフリーマーケットの掛け合わせがヤフオクであり、メルカリです。タクシーとメルカリ(個人間の取引)がUberですし、そのUberと出前の掛け合わせがUberEatsですね。

いいアイディアを出せと言っても、何を考えていいのかわかりません。まずは大きなコンテクスト(目指している方向性)の範囲内で、組み合わせを自由に発想してもらうと、どんどんアイディアが出てきます。

ぼくが企業に提供している会議コンサルでは、カードに自社のコンテクストに沿うキーワードを書き、並べます。それを神経衰弱のように適当に2枚めくり、出てきた組み合わせで考えられることを出してもらうというワークをやります。これだけでも、かなり多くの新しい発想が得られ、議論も活発になります。