有吉弘行Photo:SANKEI

何者かになりたくてもがいたけれど、もうそんな荒ぶった感情は忘れた。このまま静かに歳を取っていくんだろう……そんな40代、50代に希望の光を見せてくれたのが、2023年に始まった、結成16年以上の漫才師を対象とする賞レース「THE SECOND」で準優勝し、2度目のブレイクを果たしたマシンガンズだ。コンビ結成は1998年、30年近くお笑いの世界で粘り続け、『もう諦めた でも辞めない』(日経BP)という書籍を出版した二人に聞くインタビュー。第2回のテーマは「嫉妬」だ。(聞き手/河崎 環)

みんなが地獄にいる。俺だけじゃない

――マシンガンズのお二人は、2008年ごろのネタブームで一度プチブレイクされて、その後ネタブームの終了と同時に長い「くすぶり期」を経験されましたよね。その間、大きく売れていく芸人さんたちの背中を見て、焦ったり、嫉妬に駆られたりすることはなかったんですか。

西堀:焦らなかったわけではないんですけど、それ以上にまず、芸人の世界は楽しいんですよ。我々は芸人至上主義で、「面白い」とか「楽しい」がいちばん強いっていう価値観なんです。安い店を探してみんなで大笑いしながら飲んで、芸人にウケると最高に気持ちいい。それが何より楽しいって知っちゃってるんです。