
日本の経営者の報酬が低いと指摘されて久しい。それでも、実は日本の上場企業には「年収1億円以上」のビジネスパーソンが1109人もいる。成果に見合った報酬を受け取ることは当然といえよう。ただし、大事なのは納得感だ。業績や株価が振るわなければ株主は不満を持つだろうし、なにより従業員の士気が下がる。そこで、「その他金融」業界の1億円以上もらう役員と従業員の年収格差ランキングを作成。特集『1億円以上稼ぐ取締役1109人はもらい過ぎ!?「年収1億円以上幹部」と従業員の年収格差ランキング』(全24回)の#14では、「その他金融」業界の年収1億円以上の経営幹部と一般社員の年収格差の実態を調査、実名ランキングで13人を検証する。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)
「その他金融」業界で年収1億円以上13人の実名
トップは従業員平均年収の42倍の格差!
東京証券取引所の業種分類の「その他金融」業界で、年収1億円以上を受け取る幹部は、13人いる。そして、その大半をオリックスと日本取引所グループの幹部が占めているのだ。
では、「その他金融」業界で「年収1億円以上」の経営幹部たちは、従業員の年収の何倍をもらっているのだろうか?業績に見合う年収を受け取っているのだろうか?
ダイヤモンド編集部では、経営トップの会長、社長のみならず役員を対象に、年収1億円以上の高額な報酬を受け取っている人物を業界別に集計した。1社から複数人が記載される場合もある。その経営幹部である人物の年収と従業員の平均年収を比較し、何倍の開きがあるかでランキングを作成した。数字が大きくランキングの上位にいるほど、従業員の待遇との格差が大きいことになる。
また、本特集では高収入を単純に批判する狙いはない。ランキングには、年収額と併せて、PBR(株価純資産倍率)、ROE(自己資本利益率)、時価総額も掲載しているので、それらに「見合う年収」を得ているかどうかの判断の参考にしてほしい。今回対象としたのは「その他金融」業界だ。
従業員との年収格差が大きいのは誰なのか?結論からいうと、この業界は幹部と一般従業員の年収の格差は大きくない。他業界では格差が50倍以上に開く年収を受け取っている経営幹部が多数いることもあるが、この業界はゼロ。ほとんどが20倍未満となっている。
オリックス、Jトラスト、日本取引所グループ、三菱HCキャピタルといった企業の幹部たちの年収は幾らで、従業員の何倍をもらっているのだろうか。次ページで実名と共に一挙に見ていこう。