
日本の経営者の報酬が低いと指摘されて久しい。それでも、実は日本の上場企業には「年収1億円以上」のビジネスパーソンが1109人もいる。成果に見合った報酬を受け取ることは当然といえよう。ただし、大事なのは納得感だ。業績や株価が振るわなければ株主は不満を持つだろうし、なにより従業員の士気が下がる。そこで、海運業界の1億円以上もらう役員と従業員の年収格差ランキングを作成。特集『1億円以上稼ぐ取締役1109人はもらい過ぎ!?「年収1億円以上幹部」と従業員の年収格差ランキング』(全24回)の#20では、海運業界の年収1億円以上の経営幹部と一般社員の年収格差の実態を調査、実名ランキングで10人を検証する。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)
海運業界で年収1億円以上10人の実名
トップは従業員年収と20倍の格差!
海運業界は一般従業員の平均年収が高い企業が多い。商船三井は1675万円で、川崎汽船は1394万円、日本郵船は1379万円と続く。また、コンテナ船の運賃上昇などでここ数年、大手各社の業績は好調が続いてきた。
では、幹部は従業員の何倍の年収をもらっているのだろうか?
ダイヤモンド編集部では、経営トップの会長、社長のみならず役員を対象に、年収1億円以上の高額な報酬を受け取っている人物を業界別に集計した。1社から複数人が記載される場合もある。その経営幹部である人物の年収と従業員の平均年収を比較し、何倍の開きがあるかでランキングを作成した。数字が大きくランキングの上位にいるほど、従業員の待遇との格差が大きいことになる。
また、本特集では高収入を単純に批判する狙いはない。ランキングには、年収額と併せて、PBR(株価純資産倍率)、ROE(自己資本利益率)、時価総額も掲載しているので、それらに「見合う年収」を得ているかどうかの判断の参考にしてほしい。今回対象としたのは海運業界だ。
川崎汽船、乾汽船、栗林商船、商船三井、日本郵船といった企業の幹部たちの年収は幾らで、従業員の何倍をもらっているのだろうか。次ページで実名と共に一挙に見ていこう。