最終的な計画(第5版)では、来場者22.7万人の場合、大阪メトロ中央線が59%(13.3万人)、各方面のシャトルバス合計で11%(2.6万人)、うち桜島駅シャトルバスが8%(1.9万人)、団体バスやパーク&ライド駐車場など自動車系が30%(6.8万人)の計画となった。

 来場者が11.9万人に達するとシャトルバスの輸送力が限界に達し、18.6万人に達すると万博パーク&ライド駐車場の受け入れが限界に達するため、以降は大阪メトロ中央線の輸送分担率が増加するとしている。中央線は通常の倍となる1時間あたり24本(2分30秒間隔)で運行しており、来場者に対して十分な輸送力があるはずだが、夢洲駅では午前9時台の入場時や閉場前後に入場待ちの混雑が生じている。

 かといって、西ゲートに誘導しようにもシャトルバスの輸送力は限られており、あくまでも補完手段としての扱いだ。運転手不足の反映か、輸送計画でもシャトルバスの輸送規模は計画が改定されるたびに減少しており、西ゲート方面の輸送力増強は困難だ。今後、万博協会の目論見通り来場者が増えたとしても、鉄道の分担率が増えるにつれ、夢洲駅と東ゲートの混雑がさらに問題化する懸念がある。

鉄道輸送が中央線のみ
という不安要素

 鉄道輸送が中央線1本というのも不安要素だ。同線は22日午後9時半ごろ、大阪港駅で車両故障が発生し、約1時間運転を見合わせた。読売テレビは23日、「大阪・関西万博は午後10時まで開場していたため、夢洲駅の入り口付近では利用客が滞留し、SNS上では『夢洲から脱出できない』『万博帰りの人でごった返している』などといった投稿が相次」いだと伝えている。

 万博協会は読売テレビの取材に「4000人滞留した場合、バスに換算すると100台くらい用意しないと運べず、急に100台のバスを用意できない。復旧見込みや滞留している人の数を総合的に判断する必要がある。こういったトラブルがあったときに、利用客にご迷惑をかけることになるが、その場で待っていただいて、措置が取られた段階で、少しずつ動かす必要がある」と回答した。