揚げ足を取ってくる厄介な人の手法
もうひとつ、論点ずらしの例として「揚げ足取り」が挙げられます。
これは、話し手が言いたい事柄とは無関係の言葉尻や矛盾点を捉えて非難したり、難癖をつけたりする手法です。
次の会話例をご覧ください。
(1)Aさん:「今日のランチ、イタリアンにしようかな」
(1)Bさん:「イタリアンってピザとかパスタでしょ? 最近ダイエットしてるって言ってなかったっけ?」
こんなふうに言われてしまっては、なかなか気分良く会話を楽しめないですよね。
揚げ足取りは、このように、あなたの過去の言動と照らし合わせたり、その人の知識や関心事に引っ張ったりするので、これもまともに応じていると話がスムーズに進まなくなります。
▼「揚げ足取り」への対処法
基本的に、揚げ足取りはスルーするのが最善です。
いちいち反応していると、話が前に進まなくなってしまいますし、相手もあなたを困らせようとしているだけだったりしますので、無理に否定したり反応したりせず、困るそぶりを見せないのがポイントです。
2つの選択肢で、人は惑わされる
続いては、人の脳を惑わす論法、「AかBかどちらなんだ」と二者択一を迫ってくるパターンです。
これは「二分法の罠」といい、相手から物事の選択肢を2つに絞って提示されると、その初期情報が強いインパクトを持ち、二択以外の選択肢を考えられなくなってしまう現象をいいます。
「AかBのどちらかしか選べない」と言われると、「どちらかしかないんだ」と思って、それ以外のCやDといった可能性が思い浮かばなくなってしまうのです。
「資本主義を否定するってことは、あなたは共産主義ってことですか?」
「あなたはこの会社で成功したいんですか? それとも成功したくないんですか?」
「仕事と家庭、どっちが大事なの?」
このような質問を「二分法」と言います。二分法自体は、物事を「白か黒か」とはっきりさせるシンプルな質問形式です。