
それほど親しい関係ではなくても、なぜか「話しやすい人」というのは存在する。感情を込めたリアクションや雑談で心理的距離を縮めるのが上手かったり、否定せず常に肯定から入ったり、ちょっとしたコツで会話が弾み、自然と好印象を与えられるのだ。話しやすく好感を持たれる人になるために意識すべきこととは?※本稿は、有川真由美『なぜか好かれる人の小さな習慣』(毎日新聞出版)の一部を抜粋・編集したものです。
あいづちよりも大切なことは
感情&感想リアクション
「この人と一緒に話すと楽しい」と思う人は、話しやすいようにリアクション(反応)をしてくれる人です。
同じ話をしていても、リアクション次第で、話しやすさや楽しさは、まったく変わってくるもの。こちらが「先週末、海でキャンプしてきたんですよ」と楽しいことを話していても、無表情で「あ、そう」「ふーん」とそっけないリアクションをされると、「ちゃんと聞いてる?」「興味がないの?」と不安になり、話しづらくなってきます。
また、「海でキャンプしてきたんですか~」といった“オウム返し”がいいと信じて、ひたすらオウムのように相手の言葉を繰り返している人もいますが、それだけでは、その人がどんなふうに受け止めているか、気持ちが見えてこない。機械のようにオウム返しを繰り返していると、「馬鹿にしてません?」と感じることさえあります。
“バリエーションのあるあいづち”がいいと信じて、「そうなんですね」「そうなんですか」「それから?」「それは素敵ですね」と、リアクションの言葉を変えてくる人もいますが、これも言葉に気持ちが乗っていないと、盛り上がらないのです。
話していていちばん楽しいのは、こちらの話に対して、「え?ほんとうですか!」と目を丸くして驚いたり、「楽しそう~」「私も海に行きたいなあ」「キャンプって、非日常が味わえそうですよね」と感情たっぷりのリアクションで、自分の感想を伝えてくれる人です。
「はい!」「わかります!」「うんうん!」といった短いリアクションでも表情ゆたかで言葉が弾んでいたり、「面白いなあ」「それ、すごく嬉しい」「ワクワクしますね」と、どんな感情かを言葉で伝えたりすると、話すほうはテンションが上がります。
「感情」と「感想」で返すことを意識すると、相手の表情も生き生きしてくるはずです。
本題に入る前の数分間で
他愛のない雑談をする
いつの間にか好かれている人は、意識してちょこちょこと雑談をしているものです。
たとえば、ビジネスで人と会っても、挨拶のあと、いきなり本題に入るのではなく、「電車が混んでませんでした?」「いきなり雨がきましたね」「最近はお忙しかったでしょう?」なんて、数分間、他愛もない話をします。
数分間の雑談で肩の力が抜けて、その場の空気がほぐれたり、相手の状況を知ったりする効果もありますが、互いに親近感をもって気持ちを伝えやすくなるのです。
「余計な話はいいから、すぐに本題に」という人もいますが、それでは失礼。「あなた個人には興味がなく、早く用件を終わらせたい」とも感じられます。