バブル世代の大卒の就職率は80%を超えていました。それが氷河期突入で70%を割り込み、一番ひどかった2000年から2004年では50%台を記録しました。わかりやすく表現し直すと、バブル期は大学の同期20人のうち16人が社会人になったのですが、氷河期の最悪の年では同期20人のうち11人しか就職できなかったのです。

 この世代は合計で1700万人だとされます。厚生労働省が用いるこの数字は2025年時点で42歳から51歳の人数の合計なので、先ほどの氷河期の定義より1年少ないのですが、この後はこの厚生労働省の1700万人という数字を用いて話をしたいと思います。

 10年にわたって就職が困難だった時代が続いたことで、結果的に日本経済が成長できずに衰退したのですが、このことを政府は問題だと捉えて数々の対策を打ってきたことと、その成果が出ていることはあまり知られていません。

 ある意味で、この成果のアピールをしっかりしないで「農業、建設業、物流業」といったメディアに切り取られやすい発言をするあたりが石破総理がコミュニケーション力が低いと評価される理由でしょう。政府が行ってきた施策と成果についてまとめてみます。

 就職氷河期世代の正規雇用施策についての骨太方針では2020年から2022年を第一ステージ、2024年までを第二ステージとしてこれまで支援施策を打ってきました。今回話題になっている会合は、その成果を踏まえて2025年からの第三ステージの新しい施策を検討する場だということは少し覚えておいていただくと、この先の話がよくわかります。

 さて、この就職氷河期の支援プログラムでは、

1. 関係者で構成する全国プラットフォームの形成
2. ハローワークに氷河期世代の専門窓口を設置
3. キャリアアップに向けたリカレント教育
4. 正社員受け入れやトライアル雇用に対する助成金

 といった施策が展開されました。それで結果がどうだったのかというと、実は一定の成果が出ています。