そのうえでこの先の第三ステージの議論を、石破総理がリーダーとなる関係閣僚会議の場でスタートさせたというのが冒頭のニュースでした。
課題としては、それでもまだ就職氷河期世代には不本意ながら非正規労働についている層が合計で37万人存在します。ここをどうするのかがこれから第三ステージで議論されることになります。
これ以上、どんな仕事を
用意できると言うのか?
そこで読者の皆さんにも考えていただきたいのですが、過去25年間政府が支援を続けてきて、就職あっせんに雇用補助金、そしてリスキリング機会を与えてきて、直近の過去5年でも31万人の正社員・役員を純増させてきて、それで残された37万人にあとどのような雇用を用意できるかです。
第一・第二ステージで先に機会を手にしてきた31万人と違い、第三ステージでは40代半ばに到達した段階で残されたわずかな椅子を取り合うことになります。普通に考えれば、比較的楽にキャッチアップできるホワイトカラーの求人はほぼなくなっていると考えるべきでしょう。
そこで厚生労働省としては業種ごとのきめ細かな就職支援に力を入れます。少し古いですが令和5年のリストをみると、観光業、自動車整備業、建設業、造船業、船員、農林水産業といった業種があがっています。令和7年にはこれに物流業が加わったということでしょうか。人がとれずに困っている業界であるほど、これまで正社員経験がない人材でも雇用して、再教育に投資をして、補助金を活用しながら育成してくれる可能性があります。
関係各庁にはぜひそのことを理解したうえで、残る37万人の雇用機会を生み出してほしいということが、氷河期世代を支援する厚生労働省の意図だったのではないでしょうか。
問題は、それをストレートな形で口にする石破総理のコミュニケーション能力だと思います。総理の口から「就職氷河期世代を農業、建設業、物流業の分野で就労拡大」という言葉が出るから、そこが切り取られて報道されてしまいます。