この「油優位の世界」をイメージしてみると、これはまったく過去20年の日本経済のようですね!

倉本圭造 著
一方で「水の世界」の論理だけを追求すると、最新の技術や学識を素早く取り入れ、急激に形を変え続けて世界中に浸透することは得意ですが、一方で、地場の人間関係の連帯、いわゆる“キズナ”と呼ばれるようなものはズタズタに破壊されて社会が不安定化してしまいがちです。
この「水優位の世界」をイメージしてみると、これは過去20年のグローバル資本主義に全力で飛び込んだタイプの国(例えばアメリカ)が陥っている現象そのものだとイメージできますね?
こう考えてみると、過去20年の日本は、アメリカ型の「水優位の世界」に日本社会を丸ごと変えてしまいたい勢力が「“カイカク”が足りない!既得権益をぶっ壊せ!」と叫び続け、一方でそれによって日本社会の本来の強みのようなものが崩壊してしまうのでは、という危機感から必死に抵抗をし続けた「油の世界」の住人たちが“昭和の議論”を押し立てて、ありとあらゆる変化に抵抗し続けた歴史だといえるでしょう。
なぜ日本社会が改革を叫び続けながらどこにも進めなかったかが見えてきましたね?