しかし、日本の現行法ではこれを規制することができません。それどころか日本の水源がどの程度、外国企業に買われてしまっているのかという現状すら「把握できていない」というのが冒頭の榛葉幹事長の質問に対する政府答弁でした。
石油や鉄鉱石、レアメタルなどを保有する資源国では、土地の価格とは別にこれらの資源の採掘に関して政府の規制がきちんとかかります。日本の水源がどれほど買われたのかを政府が調査していないのであれば、それをいまさら調査するよりも先に、水資源の開発をどう規制できるのか、水資源に関する新しい法律を検討するのがやるべきことではないでしょうか。
3. マンションの管理組合問題
外国人や外国企業が不動産を購入することに関して、もうひとつ大きな問題だとされているのがマンションの管理組合問題です。
ご存じのとおり都心のマンションは外国人投資家にも人気です。特に人気なのが東京都心5区と呼ばれる、千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区の物件です。
このエリアでの大規模なタワマンでは確かに外国人比率が高まっているのですが、人気物件でも外国人オーナーの比率は高くても10~20%程度というのが実態のようです。
こういったマンションでは、掲示資料や管理組合の資料を英語や中国語に翻訳してほしいといった外国人オーナーの要望が出ているといった話も耳にします。これも当事者たちにとっては問題ですが、一方でこういった言語の問題は今後生成AIの活用で低コストで解決する方向に収束していくと思われます。
それよりも問題なのは、民事上の紛争が発生した場合です。具体例として多いのがマンション管理費と修繕積立金の滞納です。
外国人か日本人かに関係なく、マンションで発生する管理費と修繕積立金の滞納の問題については、マンションの管理組合が回収できる権利が確立しています。最悪の場合でも強制執行によって競売にかけることで、滞納者からお金を回収できることに法律上はなっています。