自己実現の場合は、戦いと違って誰かを倒すことが目的ではありません。また、誰かの足を引っ張って自分が先に行こうとしているわけでもありません。

 自分の人生の目標を考えた場合、大事なのはまわりではなく自分です。自分が何をするか、どれだけするかです。それ以前に、自分が何をしたいかです。

 つまり、自分の人生を動かすことを考えるならば、必要なことは「自分自身を明確に捉えること」です。つまりは、(ライバルのことはひとまず置いておいて)「己を知らば百戦殆うからず」なのです。

 ぼくらが自分自身を知るためには、自分が使う言葉を再確認しなければいけません。

 ぼくらの現状は、自分が使っている言葉でできています。そのため、自分が使う言葉に注意しなければいけません。

「汚い言葉づかいをしちゃいけない」とか、「ビジネスにふさわしい言葉を使おう」とか、そういう意味ではありません。そうではなく、ぼくらが出している結果は、ぼくらが使っている言葉に大きく左右されるから、言葉をないがしろにしていたら結果も得られない、という意味です。

「言語化」が
行動に与える影響

 なぜ言葉が結果を左右するのか?

 それは、言葉がその人の思考の制限になるからです。

 あいまいな言葉を使っている人は、あいまいな思考しかできなくなります。たとえば、よく「お金持ちになりたい」と口にされるケースがありますね。でもこの表現では、お金持ちになれません。自分がいくらほしいのかが明確になっていないからです。

 同じように、「幸せになりたい」という表現でも、「幸せ」になれません。自分が求めている「幸せ」が何かが明確になっていませんし、そもそも自分自身でも、どうなりたいのかよくわかっていないからです。

 自分が漠然としか捉えられていなければ、そこに向かって行動することも、たどり着くこともできません。