ただし、これを努力論で処理してはいけません。先ほどのバンドマンとカーネル・サンダースの違いを両者の努力や根性の差で捉えてはいけません。
両者には明確に違いがあります。
それが「行動リストの量」です。
あきらめなければ夢が叶うのではなくて「策が尽きなければ夢は叶う」のです。つまり、成果を出すためにこれが有効だろう、これも有効だろう、これもやってみよう、という作戦がある人は、順番にそれを実行に移せます。でも、その策がなくなったら「もうこれ以上何をしていいかわからない」と感じ、行動できなくなってしまいます。
策が尽きてしまうから夢が叶わなくなるのです。
カーネル・サンダースの
「行動リスト」の量と実践力
カーネル・サンダースは、ケンタッキーフライドチキンの事業計画書を持って1000回以上営業に行きました。要は、夢を叶えるためにすべきことの行動リストを1000個以上持っていた、そして、それを実行したということです。
事業計画書を持って営業しに行くことが、筋が良いものだったのかはわかりません。というよりむしろ、それだけ失敗しているので、そんなに筋が良いやり方ではなかったんじゃないかなという推測も立ちます。もっとうまいやり方もあったかもしれません。
ただ、いずれにしても1000回以上行動したわけです。A社がダメなら、次はB社、それがダメならその次はC社……というように、やるべきことのリストを持っていて、それを地道にやっていったわけです。何より、その行動リストが尽きなかったから、彼の夢が叶いました。
一方、先ほどのバンドマンは、いつかは自分の音楽を世界中に届けたいという思いがありつつ、行動リストがありませんでした。「家で練習する」「路上で歌う」「小さいライブハウスで歌う」「いい曲をつくる」、それぐらいしか行動リストを持っていませんでした。