今の時代なら問題な内容の
「結婚十訓」
のぶは3年たって、少し大人っぽい落ち着きを身に着けたように見える。
時間の経過としては、戦時体制が強化されていて、子どもたちは作文に「僕も勉強や体操をがんばって、はようお国のためにご奉公したいと思います」と書く。
のぶは子どもたちの指導に迷いがないと、「まさに愛国のかがみ!」と校長先生・古山時三(中尾隆聖)に褒められる。
のぶは「尽忠報国」の道を歩みたいと、答えにいっさいの迷いがない。黒井先生(瀧内公美)の道、まっしぐらのようだ。
校長はでも、二十歳になったのぶに、そろそろ結婚して子どもをお国のために育てる時期ではないかと言う。のぶとしては、まだまだ生徒たちをお国のために育成する仕事をしたいのだが、この時代、世間的には女性はお国のために子どもを生み育てることを求められていた。「結婚十訓」というものが広まっていた。
これは1939年に発表された。つまり、のぶが教師になって1年半がすっ飛ばされたのは、戦争で人口が減少しているため結婚十訓が出た時期に合わせたからであろう。
(1)一生の伴侶として信頼できる人を選びましょう
(2)心身ともに健康な人を選びましょう
(3)悪い遺伝のない人を選びましょう
(4)お互いに健康証明書を交換しましょう
(5)近親結婚はなるべく避けましょう
(6)晩婚を避けましょう
(7)迷信や因習に捉われない
(8)父母長上の意見を尊重しましょう
(9)式は質素に届出は当日に
(10)産めよ育てよ国の為
ドラマでは(1)(2)(10)しか語られていないが、(3)(4)(5)(6)あたりいまの時代に問題になりそうである。
子どもたちはすっかり兵隊さんになってお国のために戦おうと考えるようになっていて、兵隊さんごっこを意気揚々としている。のぶもそれに満足。
家に帰ると、愛国婦人会の人たちが集まっていた。のぶに縁談を持ってきているのだ。着々と「二十歳の風圧」という包囲網を固められるのぶ。