自分の生き方や置かれた状況に「悩む人」がいる一方で、同じ環境にいても「悩まない人」がいます。ではどうすれば、「悩みやすい不幸体質」を卒業して、「絶対に悩まない人」になれるのでしょう。
その方法を教えてくれるのが、書籍『不自由から学べること ―思いどおりにいかない人生がスッとラクになる33の考え方』です。12歳からの6年間を「修道院」で過ごした著者が、あらゆることが禁止された暮らしで身につけた「しんどい現実に悩まなくなる33の考え方」を紹介。悲観でも楽観でもない、現実に対するまったく新しい視点に、「現実の見方が変わり、モヤモヤがスッと晴れた」といった声が多数寄せられています。この記事では本書より一部を抜粋・編集し、「悩まない人の考え方」を紹介します。

いろんなことが「中途半端」な自分に悩む
私は社会人になってからも、いろいろなことに手を出してきました。
コーディネートすることも好きなので、SNSで独自の着こなしを発信し、「スタイリスト」として仕事をいただくこともありました。「モデルをやってみない?」と誘われて挑戦したこともあります。
純粋に誰かの期待に応えたいという思いがあったからですが、一方で、こうも言われてきました。
「本職はなんなの?」
「着物のデザイナーなのに、それでいいの?」
いろんなことに少しずつ手を出していることを責める人もいます。
他者から批判されるだけでなく、「フラフラしてばかりで軸がない」「全部、中途半端だ」と、自己否定に陥ってしまう人もいるかもしれません。
修道院にいた「人気者シスター」の言葉
そんな感情が生まれたとき、私は修道院にいたあるシスターとの会話を思い出していました。
その人は、シスターなのに「幼稚園の先生」でもあり、とてもユーモラスで明るく、ピアノも歌も絵も上手で、みんなの人気者でした。
私は高校生のときに、そのシスターに聞いてみました。
「なぜいつも、そんなに楽しく明るくできるのですか?」
すると彼女はこう答えました。
「そのとき、その瞬間、全部楽しく全力でやっているだけよ。あるときは園児と同じ目線で。あるときは歌うことだけに集中して。全然違う自分になるのが楽しいの」
当時はその言葉の意味がわかりませんでしたが、今ならよく理解できます。
彼女はいかなる場面でも相手を喜ばせて、そこに自分も喜びを感じているだけでした。そうしていろいろとやっていくうちに、できることが広がり、魅力が増していったのです。
誰かのためにすることであっても、さまざまな経験がかけあわされることで、やがて唯一無二のオンリーワンの存在になれるのだと、彼女は教えてくれました。
「役割」に囚われなくていい
本業に囚われず、誰かの期待には柔軟に応えてみてはいかがでしょうか。
私はこれを「半分手放す」と呼んでいます。
ひとつの道を極めることももちろん素敵ですが、そこに執着していては、可能性を狭めてしまうかもしれません。
誰かに必要としてもらったとき、抱えていた本業を半分手放すような気持ちで受け入れてみてほしいのです。
(本稿は、書籍『不自由から学べること ―思いどおりにいかない人生がスッとラクになる33の考え方』の内容を一部抜粋・編集して作成した記事です。書籍では他にも、「悩まない人の考え方」を多数紹介しています。)