腸が汚いと目も悪くなる!?
腸内細菌の驚くべき機能
目は様々な栄養素を必要とする繊細な器官であり、私たちが普段口にする食べ物は、目の健康を左右する重要な要素の1つです。加工食品や糖質の多い食事を控え、野菜や果物、魚、ナッツ類など、目に良い栄養素を豊富に含む食品を積極的に摂取しましょう。
近年、「腸は第2の脳」とも呼ばれ、腸内環境が全身の健康に大きな影響を与えることが明らかになってきています。「脳腸相関」と言って、脳の状態が腸に影響を与え、逆に腸の状態が脳に影響を与えるのです。実はこの腸内環境は私たちの「目」の健康とも深く関係していることが、最新の研究でわかってきました。脳と目の網膜部分は発生学的には同一組織からできています。
すなわち目は脳の一部なのです。腸が脳に影響を与えるなら、当然目にも影響があるのではないかと、腸内環境と目の関係について、様々な研究がされています。
腸は胃で消化された食べ物を分解、吸収する臓器です。しかしそれだけではありません。腸は体を病気から守る免疫系が非常に活発で、人の免疫システムの7割が腸にあるのです。人体の正常な免疫機能を維持するために大切なのは、腸内に100兆個以上棲んでいる腸内細菌の働きです。
腸内環境の悪化で
眼疾患が進行
腸内細菌は水溶性食物繊維を発酵分解して酢酸、酪酸、プロピオン酸といった短鎖脂肪酸を作ります。短鎖脂肪酸は腸内細菌にしか作れないものですが、体内の炎症を抑えたり、免疫細胞のエネルギーになったり、悪玉菌の増殖を抑えて腸内環境を整えたりなど様々な生理機能に関与しています。
ところが食生活の乱れやストレスなどによって腸内環境が悪くなると、腸内細菌の働きが弱まって短鎖脂肪酸が少なくなってしまい、腸の粘膜がダメージを受けてしまいます。
通常であれば腸管から腸内細菌や未消化の栄養素、毒素などが体内に入らないように、腸管上皮バリアが張り巡らされています。しかし腸内環境の悪化はこのバリアを破ってしまい、異物が外に漏れ出るようになってしまいます。これを「リーキーガット症候群」と言います。