京都大学で行われた「長浜スタディ」によると、コーヒーを習慣的に摂取している人はそうでない人と比べて、眼圧が低い傾向がありました。それも飲む回数が1杯、2杯と増えるにつれて眼圧が低下する傾向が認められました。コーヒーに眼圧を下げる効果があるわけではありませんが、コーヒーに含まれるポリフェノール(クロロゲン酸)は、BDNFと呼ばれる神経栄養因子を増やし、視神経を保護する効果が期待されています。

 緑内障の方はコーヒーに含まれるカフェインが眼圧を上げるのではないかと気にされる人もいますが、あまり心配する必要はないでしょう。

 ただし、カフェインの過剰摂取は、睡眠障害や頭痛、動悸(どうき)などの原因となることもあります。カフェインに敏感な人は、コーヒーの飲みすぎに注意し、1日2~3杯程度を目安に適量の摂取を心がけましょう。

 チョコレートの原料であるカカオ豆には「カカオポリフェノール」が含まれています。抗酸化力が高く、活性酸素による細胞のダメージを防ぎ、老化や様々な病気の予防に効果があると期待されています。しかし、ミルクチョコレートやホワイトチョコレートは、カカオポリフェノールによる効果はあまり期待できません。砂糖や脂肪分が多く含まれているため、食べすぎると肥満や生活習慣病のリスクを高める可能性があります。

 重要なのは、「カカオ」の含有量です。

 カカオ70%などのダークチョコレートを食べることで、白内障の予防にもなります。抗酸化作用、抗糖化作用もあるので、水晶体を濁らせるストレスから守ってくれます。

 また、動脈硬化を防ぎ、インスリンの感受性を上げ、さらにはリラックス効果もあります。ポリフェノールの他にも、銅や亜鉛が含まれています。これらは大切なミネラルであり、視神経を損傷から守る作用があります。食べすぎに注意しながら、20~30g、5切れ程度を補助的に食べていくことをおすすめします。

書影『一生目が見える人のすごい習慣』『一生目が見える人のすごい習慣』(扶桑社)
真鍋佑介 著