賃金改定で「企業の業績」を重視した場合、その判断にあたって、最も重視した項目として、「販売価格の上昇」、「販売数の増加」、「原材料費・経費の減少」のうち1つを選択するようにした。「販売価格の上昇」があったケースは価格転嫁できたとみることができ、どういう業種で価格転嫁できているかが把握できるようになっている。
グローバルビジネスに必要な
「ビジネスと人権」の新概念
経済政策のなかでステークホルダーとして位置づけられることもある。

たとえば政府が2022年に出した「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」では、国際的な潮流で大企業がその下請け企業で起きる人権問題も含めて責任があるとして、企業側として具体的にどんな取り組みが必要かを書いている。この60ページ強の文書では、企業側が協力を得るステークホルダーとして、労働組合が十数回も登場している。
ビジネスと人権は、もともとは国連が提唱し、各国に広がっている経済分野の新しい概念だ。世界に広がる大企業傘下のサプライチェーンで、どう人権を守るかが焦点で、日本企業は海外企業への納入者としても、また海外の労働現場への発注者としても責任を負う。
経済は国際的につながっており、その文脈のなかで労働組合の役割をとらえ、位置付けて考えていく必要がある。