吉村は11月12日、大阪市内の党本部で出馬を発表した。「日本維新の会が消滅しかねないという危機感」を持ったという。
吉村は日本維新の会の共同代表であり、「惨敗」の責任を負う立場でもあった。だが党内の待望論もあり、出馬を決めたとした。
維新がめざす方向性としては、「将来世代のために存在する政党でありたい」とした。それを踏まえて、「(教育無償化などの)次世代のための政党」「道州制の実現」「(政治改革を通じて)永田町文化を変える」――の3つの政策の柱を掲げた。
「身を切る改革」の必要性についても、改めて前面に打ち出した。

朝日新聞取材班 著
万博の開幕が、約5カ月後に控えていた。代表選で勝てば、国政政党のトップと首長の「二足のわらじ」をはくことになる。
「非常に悩んだところだ。でも、もうここはやるしかないという思いだ。万博もある程度、準備も進んできた。成功させるのが至上命題なので、そこは当然やっていく」
一方で、こんな話もした。
「永田町の『飲み食い政治』も壊していく。あんなことをやっていても、新しいものは生まれない。政治、政策を決定する過程のなかで、人間関係やよく分からないところで決まっていくような、永田町の政治のあり方は違うと思っている」
とはいえ、万博ひとつとっても、「東京の日本料理店」で安倍政権に後押しを頼んだという経緯はある。