断熱性能が高い物件を
選ぶことが重要
住宅ローンのフラット35を借りて戸建を買う際は、すでに断熱等級4以上であることなどが必須条件になっています。つまり、省エネ基準を満たさない家を新たに建てたり買ったりしづらいように、包囲網が形成されているわけです。2030年にはその基準がさらに上がるので、省エネ性能が低い家は時代遅れになります。
断熱等級とは、住宅の断熱性能を判定する基準のこと。一次エネルギー消費量は、住宅などの建物で消費される冷暖房や照明、給湯といった設備機器のエネルギー量の合計値で、消費量が高いと等級が下がり、消費量が低いと等級は上がって、エネルギー効率が高い住宅と見なされます。断熱性能が高ければ冷暖房効率が高くなるため、一次エネルギー消費量は減ります。
断熱等級は少し前まで4が最高でしたが、国際的に見て高い水準とは言えず、2022年に改定されて7が最高等級になりました。省エネ基準は昔から制定されていましたが、徐々に基準のハードルが上がり続けて今に至ります。
等級1・2は1980年に制定。等級3は1992年に制定。等級4は1999年に制定されたもの。築古の物件は、その当時の省エネ基準にのっとって建てられているために断熱等級が低く、2021年の国土交通省の調査によれば、中古戸建の約9割は断熱等級3以下です。
これから新築の家を建てたり建売を買ったりする場合、なるべく省エネ性能、とりわけ断熱性能の高い物件を選ぶべきでしょう。断熱性能が高ければ、居住快適性は一気に上がります。
省エネ物件を選ぶことは
電気代を減らすことにも繋がる
家庭の消費エネルギーのうち、とりわけ高い割合を占めているのはエアコンです。おもに地球温暖化の影響から、日本では赤道付近の国と同じくらい気温が高い時期が長くなり、エアコンを長期にわたってフル稼働させることも当たり前になりました。
とはいえ、冬の厳しい寒さがなくなったわけではありません。当然、寒いときにもまたエアコンをつけることになるので、夏も冬も室温調節のためにエアコンなどを利用し続ければ、エネルギー消費量は上昇。光熱費の負担も家計に重くのしかかります。