ユーザーのコメントからは、自社の評価制度や企業文化といった「社員一人ひとりの力では容易に変えられないこと」に対する不満や諦めが共通して見受けられる。
このような「諦め」が離職を考えるきっかけとなる背景には、「組織に貢献したい」という思いとのギャップや、「声を上げても届かない」という経験の積み重ねがあると考えられる。
さらに、経営方針の変更について、現場の社員が「唐突」かつ「一方的」と受け止め、自社への不信感を抱いている様子も明らかになった。会社として大きな方向転換が求められる場面では、社員との間に一定の摩擦が生じることは避けられない現実である。
しかし、こうした局面のたびに社員が離職してしまえば、組織の維持は困難となる。したがって、上司と部下の間における対話や関係性の構築が、「望まない離職」を防ぐために重要であることが示唆される。
離職を考えるきっかけとしての評価制度や企業文化、経営方針の変更について、コメント(原文ママ)を見てみよう。
「評価制度は個人の努力で変えていくのが厳しいため」(SE、「評価・給与に納得できなかったとき」と回答)
「無意味な会議と仕事がある会社は給与評価を適正に行えるわけがなく、成長機会も少ない。こういった企業文化は 1 番アンコントローラブルな気がする」(法人営業、「意味のない仕事や会議が多い」と回答)
「上層部のお気持ちで会社方針が年度毎に変わるのですが、その方針に振り回される現場がとても大変
で、会社方針が迷走するために将来の展望がわからなくなってしまった」(Web マーケティング、「会社・経営陣の方向性に共感できないとき」と回答)
上も下もわかってくれない…
板挟み世代のリアルな退職理由
次に、年代別の回答結果を分析してみよう(下表を参照)。