回答結果を20代、30代、40代、50代以降の4つの年代別に分析したところ、50代以降を除くすべての年代において、上位2項目は「成長機会やキャリアパスが見えにくいとき」と「給与・評価に納得できなかったとき」に集中している。
一方、50代以降では「上司や同僚との人間関係が悪いとき」が最多であり、次いで「給与・評価に納得できなかったとき」、「会社・経営陣の方向性に共感できないとき」が挙げられた。
50代以降の会社員が人間関係に悩む背景には、管理職としての立場に起因する複雑な状況があると考えられる。
すなわち、上層部からは経営的視点や組織変革を求められ、部下に対しては多様化する世代の価値観や期待に応える必要があり、いわば「板挟み」の状態に置かれている。
また、若手社員との仕事観の違いや、マネジメント手法の変化に対応しきれていない可能性もある。
このような苦悩や葛藤に対して理解と支援を示すことが求められるとともに、従来よりも長期的な視点でのキャリア形成が不可欠である。
変化の過渡期にある50代の社員が「今の自分にできることがまだある」と実感できるような環境整備が、今後の組織運営において重要となる。