
メガバンクに地方銀行、第二地方銀行、信用金庫に信用組合――。全国の金融機関が直近の2年間で、どれだけメインの融資先企業を倒産させてきたのか。ダイヤモンド編集部が独自に調査し、2025年最新版として取りまとめた結果を実名で公開。特集『融資先企業を「倒産」させた金融機関ランキング2025』の#21では、岐阜県の金融機関を取り上げる。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)
岐阜県で融資先企業を最も倒産させてきた銀行は?
十六銀行、大垣共立銀行が倒産させた企業は何社?
実質は政策保有株でありながら保有目的を純投資に付け替える。いわゆる「保有株ウォッシュ」に対し、金融庁は問題意識を強めている。
岐阜県を地盤とする大垣共立銀行は、2024年3月期だけで670億円もの政策保有株を純投資へ切り替えた。これは上場している地方銀行の中では、千葉銀行に次ぐ規模である。
「見せかけではないか」という批判に対し、林敬治頭取は「当行はきちっとやっています」と真っ向から反論する(詳細は『大垣共立銀行の新頭取が本音激白!「政策保有株670億円の純投資振り替えは“見せかけ”ではない」』参照)。
金融庁は25年3月期から、純投資へ振り替えた銘柄を過去5年度分開示させる新ルールを導入済みだ。地方銀行の資本政策は一段と透けて見え、大垣共立銀行の純投資銘柄の中身も厳しい視線にさらされる。
こうした資本政策も含めた経営判断は、地元企業の資金繰りに直結する。企業を成長させて生かすのも銀行、危機に陥った際に命運を握るのも銀行だからだ。特にメインバンクが「支えるか、引くか」は、倒産か再生かの分水嶺となる。
メインバンクとは通常、貸出金のシェアが首位で、当該企業と長年にわたって親密な関係にある銀行のことを指す。ただ、企業側と銀行側で認識が異なっているケースもある。
24年度の全国の企業倒産件数は、11年ぶりに1万件を超えた。今後も倒産件数の増加と金融機関の融資姿勢が、厳しくなるのは必至とみられているが、どの銀行が今後、企業に厳しく臨むのか――。それを知るには過去に注目するとよい。その銀行の将来の行動を最もよく表しているのは、口先のきれい事ではなく過去の行動なのだから。
メガバンクに地銀、第二地銀、信用金庫に信用組合――。全国の金融機関が直近の2年間で、どれだけメインの融資先企業を倒産させてきたのか。ダイヤモンド編集部が独自に調査し、25年最新版として取りまとめた「融資先企業を『倒産』させた金融機関ランキング」を実名で公開する。
今回は、岐阜県の金融機関を取り上げる。大垣共立銀行や十六銀行のほか、岐阜信用金庫や岐阜商工信用組合なども名を連ねた。
ちなみに「金融機関が倒産させた企業数の多い都道府県ランキング」は、下表の通りだ。地銀や信金、信組など主な金融業態の内訳も明記したので、ご覧いただきたい。
ランキングは、50本以上の記事として配信していく。全都道府県と全金融業態を網羅した完全版を含めて、さまざまな視点でお届けする予定だ。それでは早速、今回の岐阜県の結果を確認していこう。