
メガバンクに地方銀行、第二地方銀行、信用金庫に信用組合――。全国の金融機関が直近の2年間で、どれだけメインの融資先企業を倒産させてきたのか。ダイヤモンド編集部が独自に調査し、2025年最新版として取りまとめた結果を実名で公開。特集『融資先企業を「倒産」させた金融機関ランキング2025』の#22では、静岡県の金融機関を取り上げる。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)
静岡県で融資先企業を最も倒産させてきた銀行は?
静岡銀行、スルガ銀行が倒産させた企業は何社?
連結総資産が16兆円で地方銀行6位の静岡銀行は、M&Aなど統合には慎重だが、提携には積極的だ。2025年3月、山梨中央銀行・八十二銀行と包括業務提携「富士山・アルプス アライアンス」を本格始動し、中央日本エリアで5年間に追加収益200億円を狙う。移住ローン、県境M&A支援などを盛り込み、広域連合モデルの確立を図る。
背景にあるのは、「金利ある世界」で再編が加速する中、単独路線のままでは埋没しかねないという危機感だ。近くの県では第四北越フィナンシャルグループと群馬銀行が経営統合に踏み込み、総資産20兆円超の新勢力が誕生する見通しで、規模・システム投資・人材確保全てで横並び競争から連携競争へシフトが進む。
とはいえ広域連携は、既存の資金フローやメインバンク構造を揺るがすもろ刃の剣でもある。企業を成長させて生かすのも銀行、危機に陥った際に命運を握るのも銀行。特にメインバンクが「支えるか、引くか」は、倒産か再生かの分水嶺となる。
メインバンクとは通常、貸出金のシェアが首位で、当該企業と長年にわたって親密な関係にある銀行のことを指す。ただ、企業側と銀行側で認識が異なっているケースもある。
24年度の全国の企業倒産件数は、11年ぶりに1万件を超えた。今後も倒産件数の増加と金融機関の融資姿勢が、厳しくなるのは必至とみられているが、どの銀行が今後、企業に厳しく臨むのか――。それを知るには過去に注目するとよい。その銀行の将来の行動を最もよく表しているのは、口先のきれい事ではなく過去の行動なのだから。
メガバンクに地銀、第二地銀、信用金庫に信用組合――。全国の金融機関が直近の2年間で、どれだけメインの融資先企業を倒産させてきたのか。ダイヤモンド編集部が独自に調査し、25年最新版として取りまとめた「融資先企業を『倒産』させた金融機関ランキング」を実名で公開する。
今回は、静岡県の金融機関を取り上げる。静岡銀行やスルガ銀行、清水銀行のほか、浜松磐田信用金庫など信金も名を連ねた。
ちなみに「金融機関が倒産させた企業数の多い都道府県ランキング」は、下表の通りだ。地銀や信金、信組など主な金融業態の内訳も明記したので、ご覧いただきたい。
ランキングは、50本以上の記事として配信していく。全都道府県と全金融業態を網羅した完全版を含めて、さまざまな視点でお届けする予定だ。それでは早速、今回の静岡県の結果を確認していこう。