すぐやる人とそうでない人を分けるのは、じつは「マインド」です。

 すぐやるための「土台」である「マインド」が設定されていなければ、いくらノウハウを持っていても行動に移すことはできないのです。

 運動会の玉入れにたとえるなら、ものすごく小さなカゴ(マインド)の中に必死で玉(ノウハウ)を投げている状態です。

 スマホも、最新の便利なアプリ(ノウハウ)をダウンロードしても、OS(マインド)が古いままでは、アプリは正常に動いてくれません。

 人間も同じで、マインドが変わらないと、いくらノウハウがあっても動けないのです。

やる気がないのは当たり前
動く人だけが結果を出せる

 では、すぐやる人になるためのマインドとは何なのでしょうか。それは、「やる気が出ないことを前提にしておく」というマインドです。

 すぐやる人は、やる気やモチベーションに頼らず、ノウハウも気にせず、今、自分に何ができるのかにフォーカスします。

 一方、すぐやれない人はセミナーや読書などでやり方をインプットすることにフォーカスしてしまい、一向に行動に移しません。なぜなら、インプットしている間は「目の前の行動から逃げられる」という安心感が得られますし、インプットによる知的好奇心が満たされ、あたかも自分が「できる人間」になったかのような錯覚を起こすからです。

 ノウハウを追求するのは悪いことではありませんが、インプットばかりでは肝心の結果が出せません。まずはできることを探して、素早く小さく行動を始める必要があります。

 以前、私の知る会社にAさんとBさんという対照的な営業担当者がいました。あるとき、新規開拓のプロジェクトが立ち上がり、AさんとBさんも参加することになります。

 Aさんはすでに3年ほど既存顧客の営業を担当しており、丁寧で誠実な仕事ぶりが評判の人です。ただ、行動がやや遅く、ライバル企業に案件を奪われることもありました。

 一方、Bさんは不本意な人事異動で着任したばかりの新人です。営業経験もありません。そのため、モチベーションは低く、営業ノウハウも持ち合わせていませんでした。

 この2人が同じ新規開拓プロジェクトに参加したのです。Aさんには営業経験がありますのでBさんよりも、早く動き出すと思っていました。