このルンバの事例には大きな学びがある。それは「手動」ではなく「自動」という着眼点で、〈独自性〉の勝負がついている点である。
逆に言うと、「手動」の中で考えたアイデアはどんぐりの背比べであり、〈独自性〉を得ることはできない。つまり、着眼点こそが〈独自性〉の源泉なのである。
闇雲にアイデアを考えることを禁じ、着眼点で勝負することを固く誓うべきである。

多くの人が見落としがちな
「新常識」の注意点とは?
この〈独自性〉の源泉となる着眼点を「新常識」と呼ぶ。この新常識をつくり出すことができれば、ルンバのように着眼点で勝負することができる。実はこの新常識にはシンプルな公式がある。それは、
A(常識)→B(新常識)
である。ルンバを公式に当てはめると、
手動→自動
となる。この公式にはひとつだけ注意点がある。それはA(常識)とB(新常識)を対義語、つまり真逆の単語でシンプルに記述することだ。対義語で考えることで、強制的に思考を単純化することができ、アイデアの本質が浮きぼりになる。

この公式からアイデアを生むのには以下の3つのレベルがある。
L1 理解:公式を理解する
L2 記述:新常識を公式で記述する
L3 発想:新常識からアイデアを発想する
あなたはもう既にL1をクリアしている。「公式A→B」と「対義語で示す」、この2点が理解できればOKだ。