アクションを示せれば「高圧的」にならない
「メンバーに指導しなければいけない、でも指導すると高圧的に捉えられてしまう」「少し強く言うと、パワハラと言われてしまうので何も言えない」。そんな悩みも聞こえてきます。もちろんハラスメントは論外です。でも、すべてのフィードバックを「ハラスメント」と捉えられてしまうと、リーダーは何もできなくなってしまいます。
ぼくにもそんな経験があります。ぼくがまだ若かったころ、やるべきことを何もやらずに「会社に来るだけ」のメンバーがいました。そのため、「与えられた自分の仕事をちゃんとしてほしい」と伝えたところ、「木暮にモチベーションを下げられた。パワハラを受けた」と号泣されたのです。
正直、とても困惑しましたし、その後ぼくは彼女に何も言えなくなってしまいました。
当時は、ぼくも経験が浅く、リーダーとして不合格でした。ですが、言わなければいけないことは言わなければいけません。ではどうすればよかったのでしょうか?
当時、ぼくがすべきだったのは、「アクションに分解して指示をすること」でした。
「自分の仕事をちゃんとして」ではなく、
・毎週、新しい企画を2本出してください
・企画には、●●で調べたデータを入れてください
・勉強のために、●●ジャンルの週刊誌を毎週1冊買い、その中で気になった記事を切り抜いてファイルに入れてください
など、アクションを示せばよかったんです。
「ちゃんと仕事をして」という言い方では、「私だってちゃんとやっているのに、理不尽なことを言われた」と反論が来ます。でもアクションで示せば、「やったか・やらなかったか」はお互いに明確になります。リーダーも感情的にならず、淡々と「これをやってください」と指示することができます。
ポイントは、「いい企画を作ってください」というような結果で指示をするのではなく、その結果を出すためのアクション(日々やるべきこと)で伝えることです。
メンバーへの指導が苦手な方は、ぜひ取り入れてみてください。
言語化スキルが、リーダーを救う
かつては、「先輩の背中を見て学べ」という指導しかしてくれなかった職場でも、今はそうはいきません。言葉で明確にしなければチームは動きません。そして、言葉にできないとリーダーがひとりで板挟みになり、一人で悩んでしまうことになります。
リーダーには、一般的なマネジメントスキルの前に、言語化スキルが必要です。
言語化スキルがあれば、多くのリーダーが状況を明確にでき、相手に明確に伝えることができ、チームを動かすことができるのです。
「自分ががんばってメンバーのフォローをしなければ」と一人で抱え込んでしまうと、いつか自分が潰れてしまいます。そうなる前に、言語化スキルでメンバーを動かせるようになりましょう。
すべては言語化スキルからです。