焼肉きんぐのアプリでは、来店回数に応じて顧客はランクアップすることができます。店が楽しいせいで、これまで結構遠くのお店に通っていた私の場合でもポリス手帳のランクは「警部」(巡査から警視総監までの10階級中、上から6番目)に昇進しています。
そこで新宿店です。私にとっては歩いて行ける場所にお店ができるので、来年の今頃には「警視正」になっているかもしれません。ではその焼肉きんぐの新宿大ガード店が開店すると物語コーポレーション側にはどんなことが起きるのでしょうか?
都心店型店舗は大儲けできない?
焼肉きんぐの「本当の狙い」とは
まず間違いなく他の店舗以上に焼肉きんぐの新宿店は大賑わいになるでしょう。証拠があります。
実はこのエリア、郊外で成長した飲食チェーンの激戦区なのです。たとえば焼肉きんぐがオープンするビルのすぐ隣には「くら寿司」があります。このくら寿司、いつ行っても待合席はぎゅうぎゅう詰めの状態です。
山手線の大ガードを挟んで反対側には「スシロー」があります。こちらも常に大繁盛です。新宿駅を囲むように回ってみるとしゃぶしゃぶ業態では「しゃぶ葉」があり「しゃぶしゃぶ温野菜」があります。
くら寿司にしてもスシローにしても、新宿では都心型店舗価格を設定しています。たとえばくら寿司の場合は西新宿店では一皿150円(税込)からとなっています。くら寿司のロードサイド店の価格は115円(税込)からですから、新宿ではくら寿司は3割も「物価が高い」ことになります。
この価格の高さには複数の意味があります。そもそも賃料や求人コストが高いから値段を上げる必要があります。一方でインバウンドが多いため、この程度の価格ならば値上げしても旅行客からは「とても安い」と好評です。
さらに都心型価格にはもうひとつ意味があって、価格を上げることによってお店の混雑を緩和することができます。もし一皿が115円だったらくら寿司の待合室はもっと人で混雑し、最大で2時間待ちのようになり、万博並みに殺気だってくることでしょう。これが一皿150円だから、
「それだったら新宿では食べずに、町田に帰ってから食べればいいよ」
と考える顧客が出てくるわけです。