
「有名人と知り合い」「大物と会ったことがある」――そんな話ばかりする人に心当たりはないだろうか?“知り合いマウント”という新たなマウンティングの根底には、承認欲求と自己肯定感の低さが潜んでいる。聞かされる側はどう付き合えばよいのか、現実を直視できない人々の“自慢”の正体を解き明かす。※本稿は、片田珠美『マウントを取らずにはいられない人』(PHP新書、PHP研究所)の一部を抜粋・編集したものです。
「あの○○さんとは知り合いで~」が
口癖だが仕事にはつながらない痛い人
広報課の20代の女性社員は、何かというと大風呂敷を広げ、「私が知り合いの新聞記者に頼んで取り上げてもらうから任せて」「私の知り合いの大学教授に頼んで学生さんに紹介してもらうから少し待って」などと言うくせに、全然結果を出せない。
そのため、周囲から総スカンの状態なのだが、それを自分でも薄々感じているのか、逆に「知り合いの○○さん」を持ち出すマウントに一層拍車がかかっている。
この女性のように、「○○さんと知り合い」と自慢せずにはいられない人はどこにでもいる。持ち出す○○さんはだいたい有名人か業界の大物で、そういう“偉い人”と知り合いであることを強調し、自分の交友関係の広さをひけらかすのだ。
たとえば、業界で「怖い」と評判の経営者の名前を出し、「○○さん、そんなに怖いですか。パーティーでご一緒したとき、とても気のいいおじさんで、たくさんおしゃべりしましたけどね」と言う。
「怖い」と恐れられている経営者が出席するようなパーティーに自分も出られることをほのめかし、そういう場でも臆することなく大物と対等に話すことができると誇示するためである。