
スキマ時間に働くスポットワークと親和性が高いとされる外食産業だが、業界内で積極的に活用する方針を掲げている企業はごく少数だ。そこで、外食業界でのスポットワーク活用の実情を探るべく、外食大手10社にアンケートを実施した。特集『スキマバイト 光と影』の#5では、各社の本音回答をお届けするとともに、図らずも明らかになったスポットワーク定着への課題を解説する。(ダイヤモンド編集部 片田江康男、大日結貴)
なぜ外食企業で利用が広がらない?
アンケート調査で浮かび上がった理由
単発・短時間で手軽に働けるスポットワーク(いわゆるスキマバイト)市場の成長は、人手不足が常態化した外食業界にとっては願ってもない状況なはずだ。ところが、外食企業各社はスポットワークの活用に、二の足を踏んでいる。
背景には、本特集#4で解説したように、アルバイト従業員が食材を不適切・不衛生に扱ったりした動画をSNS上で公開する、バイトテロによるリスクとトラウマが影響している。(詳しくは本特集#4『外食大手で“スキマバイト積極活用派”はワタミだけ!?背景にある「リスクとトラウマ』参照)
そこでダイヤモンド編集部は、より詳しく外食企業におけるスキマバイトの活用実態を明らかにすべく、主要外食企業を対象にアンケート調査を行った。スキマバイトの活用の有無から、利用したスポットワーク仲介事業者名、実際に雇用したスキマバイト従業員に担ってもらった仕事内容、利用したことによるメリットの他、スキマバイトを利用しない方針を掲げる企業の考えを聞いた。
各社の回答内容は次ページで公開するが、各社の本音回答から、人手不足にもかかわらずスキマバイトの活用が業界全体で広がらない理由が垣間見える。
アンケートでは上記のポイントに加え、雇用契約に関する認識も聞いた。その回答からは、スポットワークがプラットフォームとして定着するための課題も浮かび上がった。各社の本音回答の中身とは?