大企業が賃金を収奪! 「階級社会」の不幸#12Photo:123RF

もはや日本は経済大国ではなく、貧困放置国家に成り下がってしまったのかもしれない。不十分な賃上げと非正規雇用の固定により、日本社会は格差社会よりもシビアな「階級社会」への変貌を遂げている。特集『大企業が賃金を収奪! 「階級社会」の不幸』の#12では、一握りの上級国民を除き誰も上昇することができない階級社会の実相に迫った。(ダイヤモンド編集部編集長 浅島亮子)

ニッポン=経済大国ではない
GDP5位落ち確定の貧困放置国家

 もはや、日本は経済大国ではなく、貧困放置国家になってしまったのかもしれない。

 2023年の名目国内総生産(GDP)では、日本はドイツに抜かれ4位に転落した。背後にはインドが迫っており、近い将来は5位まで順位を下げる公算が大きくなっている。

 世界から見た日本の賃金も随分と安くなった。次ページでは、OECD(経済協力開発機構)の平均賃金調査の結果を明らかにする。日本の順位は加盟国38カ国中、何位だったのか。

 その上で、日本の格差問題のスペシャリストである橋本健二・早稲田大学人間科学院教授の協力を得て、日本社会を形成する階級構造を、大きな図と共に解説してもらった。