値上がりが約束された
中古マンション

 資産形成という観点から考えてみたなら、中古マンションの購入が結果として正解となるケースは多いはずです。

 そのカギを握る、ひとつの方程式があります。

《新築マンションの供給計画が発表されると、周辺の中古マンションの相場が補正されて、価格が上昇する》

 こうした傾向がはっきりと観測されているのです。

 どの中古マンションを買えば良いのかを考えるうえでも、この事実を理解しておくことは重要です。

 中古物件は基本的に「取引事例比較法」によって価格が決まります。

 簡単にいえば、近隣の条件が近い成約事例をもとに価格が算出されるということです。

 そのため、価格はおよそ一律の設定になります。極端に割安な中古マンションもなければ、割高な中古マンションもないのが基本になるわけです(一部例外はあります)。

 基準となる価格は、近隣に新築マンションができることや、その地域が再開発されることによって補正されます。

 ある新築マンションが1億円で売り出されたとします。そうすると、近隣にある同様のスペックの中古マンションの値段が上がります。それまで5000万円で売りに出されていたマンションが7500万円くらいまで上がっていくことが現実に起こります。

 マンション購入を考える際、最重要ポイントになることのひとつです。

新築マンションの
最大のデメリット

 購入後すぐに入居できることも中古マンションのメリットです。

 新築マンションではなかなかそうはいきません。

 都内ではとくにそうです。

 完成前にモデルルームを見て申し込むかたちでしか購入できなくなっているので、売買契約を結んでも引き渡しが3年後などになるケースも多いです。さらに前述のように新築の供給が少ないため、モデルルームに行くのもハードルが高い状況です。

 新築物件は、物件価格の10%程度の手付金だけ払っておいて、住宅ローンの返済は、引き渡しが済んでから始まることになります。

《数年間手付金を寝かしている状態になり、残債を減らせなくなる》

 このことが、新築マンションを選択する際の最も悩ましい点です。