最近は中古マンションを選択する方が増えているのも事実です。
これまで日本では新築至上主義が浸透していました。
戦争で一度、焼け野原になってしまったこと。
地震大国であるため、できるだけ強固な建物が求められたこと。
昭和から平成にかけて夢のマイホームという言葉があったように、早い周期でのスクラップアンドビルドを繰り返してきたこと。
そうした背景があったからです。
新築マンションを取り巻く
近年の事情は?
いずれも過去のことであり、近年は事情が違ってきました。
人口減少傾向が続いているなか、住宅ストックは十分になっています。鉄筋コンクリートのマンションは構造が強固なものになっています。
国交省としても、新築はある程度の供給数にとどめて、リフォームやリノベーションを施すことなどで中古市場を活性化したいという考え方になってきました。
土地価格が上がり、建築資材の値段も高騰していることから、新築物件の値段は上がり続けています。下げたくても下げられなくなっているのが現実です。
不動産経済研究所のまとめによれば、2024年に東京23区で発売された新築マンションの平均価格は1億1181万円となっていました。前年よりはわずかに下がっていましたが、その理由は3億円を超えるような高額物件の発売が少なかったためだと考えられています。
首都圏で見てみれば、東京23区以外の新築マンションの平均価格はのきなみ上がっていました。
そのうえ新築マンションの供給戸数は減ってきており、「高い値段で売れないところには建てられない」という傾向も強くなってきました。
とくにタワーマンションなどの高級マンションはそうです。人口増が見込まれる地域、それも住民の平均年収が高い地域にしか建てられなくなってきています。
新築マンションを買うのは難しくなっている現実があります。