2月1日午前入試の注目校 

 図2には、東京と神奈川の一般入試解禁日となる2月1日午前の受験者数ランキングが示されている。上位をずらりと男子校が占めている状況は、難関・上位校と同様だ。9位芝浦工業大学附属や14位日本工業大学駒場も20年前には男子校であり、18位日本大学第三や19位國學院大學久我山も1980年代には男子校(16位明治大学付属八王子も男女別学)だった。

 ベスト10のうち9つは偏差値50台の入試回が占めている。1位芝[1回]と3位逗子開成[1次]は、偏差値59と58という中堅上位男子校で、受験者数も実倍率も安定している。

 そこに割って入ったのが、男子校としては最後の入試となる2位日本学園[1回]で、駆け込み受験生が押し寄せた。26年からは共学化、校名も明治大学付属世田谷になる。25年の偏差値53から26年は大きく上昇して中堅上位校の仲間入りをすることは確実だ。女子受験生に募集定員の約半分が渡ることで、受験者数が激減しない限り、男子の実倍率は5倍を超えるかもしれない。明治大学側の説明では、内部進学推薦の条件の一つとして英検2級の取得を示しているようで、中学で入ってしまえば安泰、というほど甘くはなさそうである。

 受験者数が大きく増加基調にあるのは、7位鎌倉学園[一次]・14位日本工業大学駒場[1回]・20位足立学園[一般1回(志)]である。偏差値は51・41・36と分かれている。ランク外だが、23年96人から倍増の勢いにある22位相当の佼成学園[1回一般](166人・3.2倍)も同42の手頃な中位校である。

 他に、4位成城[1回]や5位桐朋[1回]、共学校では10位芝浦工業大学附属[1回]と15位駒込[1回]も上向きで、26年も期待できそうだ。桐朋は26年からのこの回の募集人員を約120人から約110人へ10人減らす。クラス定員の見直しに伴う措置ということだが、倍率は高まることになるだろう。

 一方で、緩和傾向が進んでいる入試回も目に付く。18位日本大学第三[1回]は受験者数が23年より3割減で、10位日本大学豊山[1回]も2割減っている。日大豊山は倍率が2.5倍となり下げ止まった感もある。12位高輪[A日程]は24年に実倍率が3.5倍と跳ね上がり、25年は2割減で23年水準に戻した。26年はいずれも復調するのだろうか。