「我慢強い人ほど突然辞める」その理由とは?
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【精神科医が教える】仕事が続かない人の意外な共通点とは?Photo: Adobe Stock

我慢しすぎる人ほど、仕事が続かない?

日々、いろいろな患者さんとお会いする中で、「仕事がなかなか続かない」「職場を転々としてしまう」という悩みをお聞きすることがあります。

そうした方々と接していると、ある共通点に気づくことがあります。

それは――仕事が続かない人には、大きく分けて2つのタイプがあるということです。

仕事が続かない2つのタイプ

ひとつは「我慢がまったくできない人」、もうひとつは「我慢をしすぎてしまう人」です。

極端に聞こえるかもしれませんが、実は我慢がまったくできない人というのは、そう多くはありません。むしろ圧倒的に多いのは、「我慢をしすぎる人」です。

「我慢できる人なら仕事が続くんじゃないの?」と思うかもしれませんが、実は逆なんです。

我慢しすぎる人のタイマーは、いつか切れる

私たちのもとには、仕事の悩みや愚痴、辛さを打ち明けに来られる方がたくさんいます。

そういうお話を聞いていると、「この方、ずいぶん自分を押し殺してがんばってるな」と感じることがよくあります。

でも、自分を押し殺し続けることって、実はできないんですよね。どんなに我慢しても、自分の気持ちって消せるわけじゃない。

だから、いずれ我慢の限界がきて、心や体が悲鳴をあげてしまいます。

我慢を続けることは、一種の“タイマー”をセットするようなものです。いつか必ず、そのタイマーは切れてしまう。だから、続かないのです。

「我慢が足りないから続かない」は間違い

仕事が続かない人の中には、「私の我慢が足りないから、続けられないんだ」と自分を責めてしまう人も多いです。

でも、それは違います。本当は逆なんです。

「あなたが我慢しすぎているから、仕事が続かない」んです。

だから大切なのは、我慢の量を増やすことではなく、「我慢しすぎないこと」なんです。

快適な職場は、自分の振る舞いから作れる

もちろん、職場の環境がそもそも人に我慢を強いるような場所であれば、長く続けるのは難しいです。

そういう場合は、思い切って環境を変えるという選択も必要かもしれません。

でも、たとえば「今日はもう帰ります」と口に出してみることや、「それはできません」と断る勇気を持つこと――こうした行動が、あなたの我慢のバランスを整えてくれることもあります。

多少「自己中だな」と思われるかもしれませんが、それくらいでちょうどいいのです。

「嫌なときは嫌と言える」「帰りたいときに帰れる」――そんな職場のほうが、実は長く働けるんですよね。

我慢しすぎる関係は、何ごとも長続きしない

これは職場に限らず、夫婦や友人関係でも同じことが言えると思います。

「自分さえ我慢すればうまくいく」と思って関係を続けても、結局は限界がきてしまいます。

だからこそ、「自分の心に正直に」「我慢しすぎないように」日々を過ごすことが、仕事や人間関係を長続きさせるコツなのではないかと、私は思っています。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。