20世紀以降の産業について簡単に振り返ってみました。素人の私が思いつくままに書いたことですから、ずいぶん荒っぽい内容だと思いますし、専門家の方がご覧になったら、おかしな部分も多々あるでしょう。
しかし大切なのは、こうして時間を大きく束ねてみることで、時代の特徴がみえてくることです。
時間を束ねるという作業は、一定の期間をひとつのまとまりとして考えることです。したがってそれは、過去を「型にはめる」作業ともいえます。
型にはめるという言葉にはネガティブな意味があるように、時間を束ねるという作業には好ましくない面もあります。ある時間を決まりきった枠組に押し込めば、歪められたり、見落とされたりするものもでてきます。本来の豊かな姿は、きっと見えなくなるでしょう。
その一方で、時間を束ねることで「時代の特徴」が見えてくるのも事実です。限界点やリスクを意識していれば、時間を束ねることには十分なメリットがあります。
「消費生活」について
時間を束ねてみると?
さて、冒頭の問いに戻りましょう。いま私たちの身のまわりでは、何が生じているでしょうか。ひとことで「身のまわり」といっても色々なことが含まれますので、ここでは私たちの「消費生活」に焦点を絞りたいと思います。
読者の皆さんも、ご自身の「消費生活」について考えてみてください。2000年以降でも、2010年以降でもいいので、ある程度長い期間をひとつのまとまりとして考えるのがポイントです。毎日の生活を細かく観察するのでなく、視野を少し広げて見渡すことで、現代の消費生活の特徴がいろいろと思い浮かんでくるはずです。
たとえば、Amazonのようなネット・ショッピングが普及したこと、メルカリやYahoo!オークションといったリユース・マーケットが一般化したこと、新製品をテレビ広告ではなくSNSで知るようになったこと、コンビニエンス・ストアの店頭で「期間限定」や「コラボ製品」をよく目にするようになったこと、スターバックスのようなカフェが街中にできて、コーヒーやカフェラテをペーパー・カップで飲むのが普通になったこと――日ごろ何とも思わない私たちの消費生活も、時間を束ねて振り返ると、意外と変化していることに気づきます。