2000年代以降は、デジタル化とネットワーク化の時代です。当初のキーワードは「パソコン」と「インターネット」でした。1970年代から1980年代に主流だったメインフレームといわれる大型コンピューターから、1990年代に入るとパーソナル・コンピューター(パソコン)といわれる個人用コンピューターが普及しました。そして2000年代になると、パソコンがオフィスから一般家庭へと広まりました。

 1990年代の中頃から一部の人が使いはじめたインターネットは、ADSLという技術によって2000年頃から一般家庭へ浸透し始めました。携帯電話も1990年代の後半から広く普及し、2000年代に入ると90%以上の普及率となりました。

 デジタル化とネットワーク化が進んだことで、世の中は大きく変わりました。私たちの身の回りではネット・ショッピングが浸透し始め、また広告も、テレビを代表とするマスメディアから、デジタル広告が主役となり始めました。

巨大IT企業を支える
デジタル技術の進化

 そして2010年代に入るとスマートフォンが一気に普及しました。パソコンとスマートフォンはいずれもデジタル・デバイスですが、ログイン(サインイン)の有無という点で、大きく異なります。

 通常、パソコンを使う時はIDやパスワードを入力してログインしますが、スマートフォンにはこの作業がありません。パソコンが複数の人で使えるように設計されているのに対して、スマートフォンは個人の持ち物として設計されているからでしょう。その意味でスマートフォンは完全にパーソナルなデバイスといえます。

 スマートフォンは常に身につけている自分専用のデジタル・デバイスですので、電話やメールといった情報通信だけでなく、さまざまな用途に用いられるようになりました。いまではゲームや動画共有プラットフォームなど趣味や娯楽から、身分確認や決済にまで用いられています。

 スマートフォンの普及に伴い、GAFAといわれる巨大IT企業が急速に台頭してきたのも2000年以降の特徴です。彼らはデジタル技術とネットワークを駆使し、世界中で圧倒的な存在感を築きあげました。