願う仕事につなげるには
何度も言い続けるしかない
別の人が乗っているから一度下まで降り、またそのエレベーターに乗って私は元の場所に戻り、記者の方と話しましたよ。今まで3時間もインタビューしていたのに、なぜ取材中に言ってくれなかったんでしょう(笑)。
こんなこともありました。撮影が終わって着替え、髪の毛をまとめて、帽子をかぶってマスクをし、さあ帰るぞというところで、「すみません、LiLiCoさん。一緒に写真を撮れませんか」って。なぜ、撮影直後のきれいにセットされた状態の時に言ってくれないのか。カメラマンさんもいたから、記念の一枚くらいプロの手で撮影してもらえたかもしれないのに。
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なかなか口に出せなかったのかもしれないと思う。憧れの人であればなおのことだ。「お願いしたい。でも……」と逡巡(しゅんじゅん)し、結局、もっとも悪いタイミングでそれを言ってしまう。
だが、どんなことも「自分が本当にやりたいこと」を口にできなければ、その一歩は始まらない。誰かに何かを頼むことも、友人や夫婦関係も、そしてビジネスにおいても、「『阿吽(あうん)の呼吸』はない」とLiLiCoさんは考える。
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やりたいことを言わなければ、願う仕事につながらない。もちろん言ってもすぐには叶わないことのほうが多いかもしれない。そうしたら何度も言い続けるしかありません。
私が映画コメンテーターとしてレギュラー出演する『王様のブランチ』(TBS)でも、自分の希望で映画コーナーを担当することになったスタッフがいます。そのスタッフはあとから「プロデューサーにずっとお願いしていたんですよ。映画コーナーに行きたいって」と話していました。
私も故郷のスウェーデンでスキーやサッカーをしていたので、「リポーターをやりたい」などの希望をよく口にします。そうすると本当にその仕事がくるんですよ。ただ忙しすぎて断ってしまうこともあるのですが……。
と言うと、「それはLiLiCoさんだから、一言発すれば注目され、みんなが声をかけてくれて、やりたい仕事が実現できるんでしょ」と思うでしょうか。違う違う、私は昔からこうなんです。昔の私を知っている人は「LiLiCoって何も変わってないね」と言います。