まずは社会に合わせてみる
嫌だなと思ったことも武器になる

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 社会では「求められている自分」と「自分がやりたいこと」が違うことが多々ある。
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 社会から求められている自分と、やりたいことが全然違ったりする。いいじゃない。それなら一回、社会にもまれてみましょうよ。「社会が僕を受け入れてくれないんです」と言う人もいるけど、社会は誰も受け入れてくれないんですよ。みんなが社会に合わせてるんです。

 まずは社会に合わせ、それでちょっとつかめてきたら、「こういうふうにやったほうがいいよ」って言ってみる。

 新人なら、会社でまずはみんなの心をつかまないと、やっぱりついてきてくれる人はいないでしょう。全く成功していないのに「ついていきます」なんて誰も言わないから。

 でも、それでいいの。あんまり早く成功した人ってつぶれるんですよ。苦労を知らないから。相手に対する気配りやアイデアなど、苦労したからこそ「いい仕事」ができる。

 私は意地悪な役ばかりだと言いましたが、ある時ミュージカル界で言われたんです。「小柄で高い声で歌の上手い人はたくさんいるけど、LiLiCoさんのような人はいない。ミュージカル界に入りたかったから、いっぱい役がありますよ」って。

「でしょ。だからいつでもできるのよ。50歳になったらやるよ」と、私は答えました。その前にちゃんと名前を売らないと、ミュージカルチケットを買ってくれる人がいない。ライフプランを考え、そして本当に50歳でミュージカルデビューしました。

 つまり嫌だなと思ったことも武器になる可能性があるし、人生に苦労していくと、やりたいことがたくさん出てくるんです。

やりたいことを
たくさん実現してきた

 過去の私は映画コメンテーターの仕事に追われて、それしかできなかった。でもその知識が積み重なり、映画をたくさん見ているから俳優ができるようになったわけじゃないですか。

 そして子どもの頃から歌が好きだったからミュージカルに挑戦し、洋服も大好きだからデザインもできました。アクセリーも好きで、昔からビーズで自分のピアスを作ったりしていたんですよ。だから絵を描けば、ブランドにもなりました。

 やりたいことをたくさん実現してきたんです。それはLiLiCoだからできたんじゃない。まずは「口に出すこと」から、自分も、周囲も動き始めていくんです。

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>>第5回「「上司と合わない。会社を辞めてもいい?」→LiLiCoの〈体験〉と〈行動〉を聞いて泣きそうになる…」は8月7日(木)に配信予定です

 第5回では「上司と合わない」「仕事が憂鬱」「仕事がつまらない」という、ビジネスパーソンのお悩みをLiLiCoさんに聞きました。