ミセスのライブでも「2日目は音量を下げる」くらいの対策を講じていればまだ世間受けはよさそうに思えたが、しっかり言い訳ができる運営が音量を下げた旨については語っていないことから音量に変化なく2日目も行われたように見える。マイナス0.何デシベルとか、ほんのわずかでも下げておけば言い訳に使えたからもったいなくも見える。

Adoも過去にあった「音響問題」 

 しかし今回のミセスのライブは、山下ふ頭で5万人という、同会場では過去最大の規模だったそうで、PA(音響機器)システム含めて手探りな部分も多々あったと推測される。0.何デシベルの音量下げが致命的な変化をもたらすことも考えられたし、当日の音響関係者全員の念頭にはおそらく昨年4月に「ショボい音質」ということで炎上したのAdoの国立競技場ライブがあったのではないか。

 野外ライブは空間が開けていて音が散らばっていくので音質のコントロールが難しい。それでもやはり空に向かって突き抜けていく爆音にお祭り的な妙味があって気持ちよかったりするわけで、野外は野外の良さがある。野外ライブを楽しむ人には音質の良さに固執しすぎないおおらかさが備わっている。

 というのが従来の認識というか、PA(音響)側に許されたゆとりだったのだが、Adoの件を経てPAも大きな下手をこくと炎上することがわかり(万事を炎上させることが可能なSNSというシステムの弊害)、世の中的にはだいぶシビアに運用することが求められる様子である。

 とあらばミセス2日目も、1日目と同じように・準備してきた通りにいきましょう、となるのも無理からぬことであろうと個人的には感じる。

 なお、ライブ当日の騒音注意に関する事前の周知は、横浜市によれば「ライブ主催者にお願いしていて、実情はそちら任せ」とのことである。運営は「周知は行った」としているが、それがどの程度のものであったのか。

 多くの苦情につながった一因に事前周知が不十分だった可能性があるとして、市は近く主催者に聞き取りを行う意向を示している。