
実際、親から不適切なしつけをされたことによって、のちのち「呪い」でもかけられたかのようにリミッターがかかってしまって、自分らしい人生を送れないで苦しんでいるケースも珍しくありません。その場合には、果たして親から受けたしつけが自分の生来の性質に合ったものだったかどうかを、振り返って検討してみる必要があります。
そしてもし、それが自分にとっては「呪い」になってしまっていると気づいた場合には、いくら親の善意で与えられたものだったとしても、それを捨て去らなければなりません。いくら善意でも、自分に適合しない血液を輸血されてしまったら、人は死に至ってしまいます。繰り返しになりますが、親と子は、思っているよりもはるかに「他者」同士の関係なのだということを、私たちは厳しく認識しておかなければならないのです。