ボーナス型のように自分の自信を他人に託すのではなく、自信を自分自身でつくり、それを積み立てることに意識を向けるのです。それは「自分の成長にフォーカスする」ということです。

 自分軸評価は、まず「長期的に自分がどういう選手になりたいのか」理想像を書き出してもらいます。評価されるためではなく、自分の理想に向けて、毎日自分を動かしていくことに意識を変えるのです。

積み上げてきた自信は
そう簡単に崩れない

 必要なスキル、フィジカル、メンタリティを明確化して、そこに向かって1日、1日を大切に使って成長していく。

「練習でこれだけやっているのに、なぜ評価してくれないんだ」

 といった感覚ではなく、

「今日の自分が意識してやったことが、できたか、できなかったか」

「自分が成長しているかどうか」

 ということが、自分に対しての評価ポイントに変わります。

 成長を自信のバロメーターにしていくと、自分がコントロールできる中でプラス感情が生まれやすくなります。そうなれば、どんな環境に置かれたとしても自信が構築できるのです。

 年間通して試合数が少ない競技の選手は、自然と積み立て型の自信を構築しているように感じます。チャンスが来たときに、「自分はこれだけ積み上げてきた」「これだけ成長してきた」と、絶対的な自信を持って試合に入ることができます。

 私は「ボーナス型」の自信を否定しているわけではありません。「ボーナス型」の自信は多くの人が経験したことがあると思います。

 多くの選手が口をそろえて「試合で得るものは多い」というのはそういったことで、試合に出ていないと得られない自信もあります。

 積み立て型は、自分でコントロールして自信を積み上げていくものなので、たとえ試合に負けてボーナスが得られなかったとしても積み上げてきた自信はそう簡単に崩れません。積み立てた自信をつくり続け、チャンスのときを迎えられたら、ボーナス型の自信も得やすくなるでしょう。

 自分軸評価でどんな状況でも崩れない積み立て型の自信をつくっていきましょう。