二つ目のポイントは
「糖分」と「油分」
次に、「糖分」と「油分」はどのようなものが使われているだろうか。
本来、アイスは牛乳や卵黄、砂糖などシンプルな材料でできると述べた。けれども、カロリーやコストを抑えるために乳製品の割合を減らすことがあり、その場合かわりとなる糖分や油分を入れなければ、おいしくならない。小山氏が説明する。
「糖分は砂糖よりも果糖ブドウ糖や増粘多糖類などを使うほうが低コストで作れますから、そういったものを用いればメーカー側の利点が大きいでしょう。ですが、食べる側にとってはそのような糖分は、血糖値を急上昇させて血管に負担をかけ、お子さんでしたら集中力の低下やイライラにもつながってしまいます」
「また、アステルパームのような人工甘味料を使っているものも、できれば避けてほしいです。カロリーは抑えられるのですが、腸内環境のバランスを乱すといわれ、糖尿病の発症リスクを高めると報告されています」
東丸医師も乳脂肪分の代替として「パーム油などの植物油脂が使用されているアイス」に注意を促す。
「特にラクトアイスは乳固形分3%以上と、乳脂肪の割合が少ないため、植物油脂や糖分を多量に含んでいることがあります。植物油脂には、過剰摂取によって心血管疾患や動脈硬化のリスクを高める恐れがあるトランス脂肪酸が多く含まれている可能性があるのです」
とはいえ近年、トランス脂肪酸は企業努力でかなり軽減され、2014年・15年度の農林水産省の調査ではラクトアイスのトランス脂肪酸の中央値(平均値)は0になっている。
つまりラクトアイスに必ずトランス脂肪酸が含まれていて「老けるアイス」になるというわけではないのだが、乳脂肪分が少ない分、かわりに何が入っているのか? は確認しなければならない。少なくとも、原材料の先頭や前半に「植物油脂」が記されているような商品は選ばないほうがいい。
「原材料は多い順に表記されています。糖分や油分は何を使っているか、それが何番目にきているのかは必ずチェックしてください」(小山氏)