日本では、レストランで食べ残しを持ち帰ることすら許されないのに対して、中国の飲食業は「寛大」というべきか……客としてはありがたいけれど、ここまでやらねばならない事情を考えると、気の毒という言葉では足りないくらいだ。
なりふり構っていられない!五つ星ホテルが屋台を始めた
先日、中国のSNSで「五つ星のホテルが屋台を始めた」というニュースが大きな話題となった。
各地の高級ホテルが、続々と、ホテルの玄関口の近くにテントを張り、テーブルを設置。普段ならホテル内の高級レストランでしか食べられない料理を紙ボックスに詰めて、手ごろな値段で売り始めたのだ。従来のホテルレストランとは強烈な価格差があるため、ネットでは「五つ星ホテルがもうここまで格下げか」といった書き込みが目立っている。
一方、国内の専門家はこの一連の現象について「五つ星のホテルの屋台ビジネスは、生き延びる戦略としてやむを得ないことかもしれないが、業界全体にさらに深刻な懸念を引き起こす恐れがある」と指摘した。
実際、「禁酒令」が打ち出された後、中国の人民日報などの主流メディアが、「一部の地方政府が『禁酒令』を拡大解釈し、通常の人間関係の交流に支障をきたす」「一般の消費経済活動や外食産業に悪い影響を与えかねない」と批判した。
その一方で、ノンアルコール飲料の研究開発に投資を拡大している企業もある。レストランでは、ノンアルコールビールやフルーツワインの代替製品を打ち出し、ナッツ類や黒米、とうもろこしなどの健康飲料のメニューも増えてきている。
主に公務員や国有企業の従業員を対象にしている「禁酒令」だが、実際には、民間企業や一般の消費者にまで影響が及んでいる。特に「酒卓文化」に抵抗が大きい若い世代には、それ以前から理性的な飲酒・ノンアルコール文化が醸成される流れがあった。
もしかすると今回の禁酒令は、中国の伝統とされてきた「酒卓文化」や「酒卓ビジネス」などの伝統的な風習が変わる大きなきっかけになるのかもしれない。