料理でもテント張りでもいいので、子どもが新たなチャレンジをする目標を1つ立てさせましょう。そして、子どもがやったことがうまくできたら「よくできたね!」と褒めてあげましょう。

「何が大変だった?」と聞くのと
「大変だった?」と聞くのでは天地の差

 逆に子どもが失敗したときは、「だから言ったじゃない」「そんな無駄なことして」「こうすればよかったのに」と責めたり非難したりする言葉は禁句です。

 失敗したときは「なんで失敗したのかな?」と「なぜ?」の種を蒔いてあげてください。

 わからないことだらけの野外活動で、子どもがやると決めたことを途中であきらめることもあります。

 でも、叱ったり責めたりしないでください。何でもボタン1つですむ便利な生活に慣れている子どもは、「面倒くさい」「疲れた」ということもあるでしょう。そういうときは無理させずにゆっくり休ませます。

書影『好奇心でゼロからイチを生み出す「なぜ?どうして?」の伸ばし方』『好奇心でゼロからイチを生み出す「なぜ?どうして?」の伸ばし方』(小宮山利恵子、ディスカヴァー・トゥエンティワン)

 ただし、キャンプ生活も時間制限がありますから、休憩時間を決めて少し落ち着いたら「どうする?」と自分で考えさせましょう。お腹がすいたら「料理は手伝う」などと言い出す可能性が高いです。

 アントレプロジェクト(編集部注/起業家精神を育成・支援する活動やプログラム)で忘れてはいけないのは振り返りです。

 このとき、「楽しかった?」というような「はい」「いいえ」でしか答えられないクローズドクエスチョンをしてしまうと、話がなかなか広がりません。

「何が楽しかった?」「何が大変だった?」と相手が自由に答えられるオープンクエスチョンを心がけると、子どもの考えや意見を引き出せます。

 そして、「次にキャンプに行くときは何がしたい?やりたいことを考えてみてね」と次につなげると、キャンプで何を楽しみたいか自発的に考えるようになるでしょう。