「『御社が第一志望です!』って毎回嘘をつくのは疲れました」就活中、口から息をするように嘘をつかないといけない場面がありますよね。
新刊『ありのままの自分で、内定につながる 脇役さんの就活攻略書』は、特別なガクチカも将来の夢もなかった普通の就活生=「脇役さん」の著者が、1000冊以上の本を読み込み、自分だけの就活戦略をつくりあげ、食品超大手を含む22社から内定を得た実体験から生まれた一冊です。
「長期インターンにも行っていないし」「自己PRで語れることがない」――。
そんな普通の就活生が、どうすれば自分に合う企業に内定を取れるのでしょうか? 就活に不安を抱えるすべての学生、そしてその姿をそっと見守る保護者の方に届けたい、内定につながるリアルな戦略が詰まった、まったく新しい就活本です。今回は、就活で嘘をつくことについて、著者である藤井氏が特別に書き下ろした記事をお届けします。

就活 新卒 嘘Photo: Adobe Stock

選考は嘘をつかないと通らないのか?

就活生と話していて、こんな相談を受けることがあります。

「『御社が第一志望です!』って毎回嘘をつくのは疲れました」
「他の就活生に勝るようなエピソードがありません。自己PRでは嘘をつくべきでしょうか?」

就活では、嘘をつかないといけない場面が出てきますよね。でも、嘘ばかりつくのは気が疲れる人も多いのではないでしょうか。

今回は、就活で嘘をつくことについて、解決策を踏まえて考えていきましょう。

「すごいエピソード」を語らせたがる就活本

すごいエピソードを話さないといけないという先入観を持っている就活生は多いと思います。たしかに多くの就活本では、「実績を数字で話せ」「リーダーシップを発揮したエピソードが強い」なんてことが書かれています。

ですが、大学までにそんなことを経験している人は少数派ですよね。

僕は大学時代、持っている資格は自動車免許だけ。大学も中堅で赤点ぎりぎりでしたし、アルバイトは2週間ぐらいで辞めてました。アルバイトに関して言うと、返す制服がたまりすぎて祖母から「制服集めてるの?」と言われるほどでした。

そんな就活で語れるようなすごいエピソードのない僕でも、22社からの内定を獲得できたのです。

それは「すごいエピソードを話さないといけない」という先入観に疑問を持ち、戦い方を変えたからです。

人は、ないものをあるように答える時に嘘をつきます。数字で語れるような実績も、そもそもリーダーシップに自信もないので、それらを「ある」としようとするから嘘をつくんですよね。

ここでむしろ、「正直にお話すると、これまでの人生で数字で語れるような実績はありません」「正直にお話すると、私はリーダーシップに自信がありません」と就活で話すようにしました。

これは戦略であり、正直さや誠実さを人事に伝えることができるのです。

またこうして嘘をつかないからこそ、「リーダーシップには自信がないのですが、小さいころから絵を描いたり、空想することが好きで、創造力には少し自信があります」と実態を伝えることができます。

そして、実態がちゃんと伝わるからこそ、人事は実態を踏まえて「この子はうちの会社に合うかな」と適性を測ることができます。

ここで嘘を伝えてしまうと、人事は適性を見誤ってしまうので、入社後のミスマッチにも繋がりかねません。