中国メディアの報道によると、杜建英氏は馥莉氏が入社してから次第にワハハの中枢部から遠ざかるようになり、2008年にはワハハを退職、それと同時に米国に移住したとされる。しかし、今回の騒動でメディアが調査したところ、グループ企業であるワハハ集団は中国国内だけで187社の子会社を有しており、そのうち一部では宗継昌氏、宗ショウ莉氏らの名前が董事として記載されていたことが判明した。
ただし、さまざまなワハハ製品の生産に関わってきたこれらの子会社のうち、杜建英氏・宗継昌氏・宗ショウ莉氏が名前を連ねた会社の業務は、宗氏の死後、馥莉氏が代表を務める別会社に移転され、杜氏ら名義の会社は閉業されたという事実も明らかになった。
馥莉氏は、父親の死後、次第に杜氏とその子どもたちの収入を断ち始めていたのではないかと指摘されている。
それを受け、杜氏の3人の子どもたちはワハハの本拠地である杭州で、馥莉氏が相続した宗氏の遺産の分割を求めて訴えを起こしたのだと判明した。
香港高等裁判所の判決は?
宗継昌、宗ショウ莉、宗継盛の3人が、ジエンハオ・ベンチャー名義の銀行口座の凍結と、同口座から昨年のうちに馥莉氏が引き出した約110万米ドルの返済を要求したこの裁判。
8月1日、香港で判決が言い渡された。香港高等裁判所は、HSBC銀行に対し、訴えのあった銀行口座を凍結するよう求めるという判断を下した。
裁判所は凍結期間について、杭州での訴訟が終了するか、裁判所が新たな指令を発するまでとしている。杭州での裁判では間違いなく、3人の身分の再確認と馥莉氏との関係、そして香港の裁判で一部明らかになった宗氏の遺産分配に関する詳細が争点になるだろう。
正直なところ、どちらに転んでも庶民の生活にはあまり関係のない話である。しかし、故・愛国企業家の民族企業を巡る骨肉の争いとなるのか、多くの人々が興味深くその行方を見守っている。
